
千葉海智
売上の前に、美学がある。
ブランドの思想と成果をつなぐEC支援。
スキルセット・支援事例
あなたは、成果を出すことと、自分の美学を曲げないことを両立できているだろうか。
「大切にしている価値観は、美学と信頼です」
そう語る千葉海智さんは、EC、Shopify、D2Cブランド支援、SNSマーケティングなど、数字と成果が求められる領域で経験を重ねてきた。
売上を伸ばすこと。
成果に責任を持つこと。
ブランドを事業として成長させること。
そのすべてに向き合ってきた。
美学とは何か。
千葉さんは、こう話す。
「その人が本来持っている考え方や生き方に嘘をつかないことだと思います」
売上を上げることは前提だ。
仕事である以上、成果を出す責任がある。
だからこそ、売上のために何をしてもいいとは考えない。
ブランドの思想を曲げないこと。
関わる人たちが、少しでも良い状態になっていくこと。
その姿勢を、信頼される仕事へ変えていくこと。
千葉さんにとって大切なのは、数字だけではない。
数字を伸ばすための技術を前提に、数字のために美学を捨てない姿勢。
その両方を持って、ブランドの思想と売上をつなごうとしている。
これは、美学と信頼を軸に、ブランドの思想と成果をつなぐ考え方が形になるまでの記録である。
そして、あなたにとっての美学とは何かを問いかける物語でもある。
こんな方の力になれます
ブランドの思想を曲げずに、売上も伸ばしたい方
Shopifyストアはあるが、次にどこを直せばいいか分からない方
AI検索の時代に、自分の店が見つけてもらえるか気になっている方
美学と信頼。その人が本来持っている考え方や生き方に、嘘をつかない。
インタビュー本編
自分の軸を持つという原点——転校と学生時代に育った、環境に流されない感覚
千葉さんの原点には、転校生として過ごした幼少期がある。
「転勤族だったので、小学校を3つ行っています」
ひとつの場所で、ずっと同じ友人関係の中にいるのではない。
新しい土地に移り、知らない人たちの中へ入っていく。
常に新しい環境に入っていくからこそ、自分の中に軸がないと立っていられない。
千葉さんは、幼い頃からそんな感覚を持っていた。
その新しい場所に入り直す経験が、自分の芯を持つことにつながっていった。
父は銀行員。
真面目で、ルールを大切にする人だった。
母親は比較的自由にさせてくれつつも、「なんとかなるでしょと」背中を押してくれる人。
ただ、千葉さん自身は、親から何かを明確に受け継いだというより、その環境そのものが自分をつくったと感じている。
「だいたい放任主義なんですよ、うちって」
細かく口を出されることは少ない。
怒られることもほとんどない。
自分のアイデアが浮かべば、自分で考えて進んでいく。
誰かに決められた正解をなぞるのではなく、自分の中に生まれた感覚を、自分で信じて動く。
その感覚は、学生時代の進路選択にも表れている。
高校生の頃、千葉さんはアメリカの大学に行きたいと考えていた。
ただし、海外の大学については親からは反対されてしまった。
日本の大学も受験したが、本当に行きたい学部には手が届かなかった。
それでも、別の大学を滑り止めとして受けることはしなかった。
周りがどうするかよりも、自分がどこへ行きたいのか。
何を見たいのか。
どんな環境に身を置きたいのか。
千葉さんの意識は、そこに向いていた。
「他の人と比べてなかったんだと思います」
周囲と同じ進路を選ぶことよりも、自分の中にある違和感や憧れを無視しないこと。
その感覚が、千葉さんをアメリカへ向かわせた。
19歳。
リュックを背負ってUCLAの周辺へ行き、現地の学生たちに話しかけた。
「アメリカの学生に話しかけて、友達に作って、ちょっとずつコミュニケーションをとっていきました」
そこで目にしたのは、夜遅くまで勉強し、ビジネスに強い関心を持つ人たち。
「すごい刺激をもらうし、夜中になってもゴリゴリ勉強していました」
ただ大学に通うのではなく、自分の未来に対して前のめりに向き合っている人たちがいる。
その空気に触れたことは、千葉さんにとって大きな刺激になった。
決められた進路に乗るのではなく、自分で道を選び、必要ならその環境に飛び込んでいく。
転校を重ねた幼少期。
自由に考えさせてくれた家庭。
自分で道を選んだ学生時代。
環境が変わるたびに自分の軸を確かめてきた時間が、後に千葉さんの「美学と信頼」という価値観の土台になっていく。
できない自分を受け入れる——社会人としての挫折から見つけた、成果を出せる場所
日本に戻った千葉さんは、アメリカに行く資金等のお金を貯めるため、トヨタの期間従業員として働く。
千葉さんにとって大事なのは周囲の評価ではなかった。
「自分がどう生きるかだけだったんで」
他人の道ではなく、自分の道を選ぶ。
その選択を、淡々と実行する。
その後、起業するために必要な力を身につけたいと考え、千葉さんはウォーターサーバーの営業に挑戦する。
ここで、大きな挫折を味わった。
「僕、実は人見知りなんですよ」
人見知りでありながら、対面で声をかけ、相手の心を動かし、契約までつなげなければならない。
結果が出なければ、数字としてはっきり現れる世界だった。
努力しているつもりでも、成果につながらない。
声をかけても、断られる。
もう一度立て直そうとしても、また数字が残らない。
同じ時期に入った人が、すぐに成果を出してリーダーになっていく。
その姿を見ながら、千葉さんは自分との差を突きつけられていた。
自分はできない人間なのかもしれない。
自分には、人と向き合って価値を届ける力がないのかもしれない。
そう思ってしまうほど、千葉さんにとってその時間は苦しかった。
起業するために選んだ営業の世界で、自分の弱さを真正面から見せつけられた。
それは、千葉さんにとって初めて、自分の限界を強く感じた経験でもあった。
やがて千葉さんは、対面営業が向いていないことを認める。
そしてWEB業界へ進んだ。
その会社では、ネットワークの接続や障害対応など、インフラエンジニアに近い仕事をしながら、WEBの世界に触れ、HTMLやCSSも独学で学んでいった。
その頃、Instagramでは文字を使った投稿が伸び始めていた。
千葉さんも試してみると、短期間でフォロワーが増えた。
営業とは違う手応えがあった。
そこからSNSマーケティングの世界へ飛び込む。
ベンチャー企業で成果を出し、やがて全体を統括するマネージャー職という役割まで担うようになった。
営業では折れた。
SNSマーケティングでは、力を発揮できた。
戦う場所が変われば、自分の見え方も変わる。
千葉さんはそこで、数字を伸ばす面白さと、成果を出すためのロジックを掴んでいった。
順風満帆な道だけではない。
数字が出せず、淘汰されかけるような時期もあった。
それでも踏ん張り、どうすれば伸びるのかを考え抜いた。
この時期に、千葉さんの中で美学が確かなものになっていく。
美学とは、ふわっとした理想ではない。
数字に向き合い、成果を出すための構造を理解し、そのうえで自分の生き方を曲げないこと。
やがて千葉さんは、その会社を離れる決断をする。
楽しい部分もあった。
仲間との時間もあった。
仕事への熱量もあった。
それでも、長く価値を出し続けるためには、自分の働き方を見直す必要があった。
「お金とかよりも大事なものもあるよねってちゃんとそこで確定したというか」
その後、映画やアニメに関わる会社に入り、EC業界と出会う。
期間従業員として資金を貯めた時間。
営業で折れた経験。
WEBの基礎。
SNSマーケティングで身につけたロジック。
CMOとして数字と向き合った時間。
働き方を選び直した決断。
それらが、今のEC、Shopify、D2Cブランド支援へつながっている。
千葉さんの価値はスキル一覧だけではない。
数字を伸ばすための技術と、数字のために美学を捨てない姿勢。
その両方を持って、ブランドの思想と売上をつなごうとしている。
美学を成果に変える——ブランドの思想を売上につなぐ、実装の挑戦
千葉さんがinc.合同会社に関わるようになったのは、2025年の初め頃だった。
最初から、強い思想的な共鳴があったわけではない。
仕事を通じて関わりが始まり、編田さんと話し、D2CブランドやEC業界に携わっていく中で、少しずつ見えてきたものがある。
自分がやりたいのは、売上を上げるだけの仕事ではない。
美学を掲げて挑むブランドを、後押しすること。
思想を持つ人たちが、その思想を失わずに成果を出せるようにすること。
商品を売っているように見えて、その奥にはつくり手の哲学がある。
世界観がある。
どうしても届けたい価値がある。
その美学を、事業として成立させる。
思想と売上を両立させる。
「思想と売上を両立させる人。めっちゃかっこいいと思います」
ECの支援者として売上を見る。
ブランドの伴走者として思想を見る。
その両方を切り離さず、現実の成果へつなげていく。
inc.が掲げるギルド型法人やレゾナンスドリブンについて、千葉さんはこう話す。
「これはまだ完成された本ではないというか、まだ書き途中の物語みたいな感じがしています」
完成された答えをなぞるのではなく、現場で試し、形にしていく。
千葉さんは、inc.の思想を言葉のままで終わらせず、EC、Shopify、売上、信頼へ落とし込もうとしている。
編田さんが0→1を体現しているとすれば、千葉さんはそれを1→10にしていく役割を担おうとしている。
背景には、恩もある。
フリーランスとしてゼロイチの時期に、Shopify構築の仕事を任せてもらった。
そこから道が開けた。
だから、その恩をいつか形にして返したい。
千葉さんにとってinc.は、思想に共鳴する場所であると同時に、恩を返したい人がいる場所でもある。
AIが進化すれば、最適解はすぐに出る。
調べれば答えが見つかる。
比較すれば、合理的な選択肢が並ぶ。
それでも、人にとって本当に良い答えは、機械的な最適解だけでは決まらない。
その人が何を大切にしているのか。
そのブランドが、どんな世界を届けたいのか。
関わる人たちが、どんな状態であれば幸せなのか。
そこまで見た上で、その人にとってのベストな選択をつくる。
「人を起点にしたいい答え、その人にとってベストな選択ができるように僕も力をつけていきたい」
思想と売上をつなぐことは、簡単ではない。
それでも千葉さんは、その難しさに向き合っている。
美学を持つブランドが、ちゃんと売れる。
信頼される人が、ちゃんと成果を出す。
関わる人たちが、それぞれの幸せに向かって進んでいける。
そんな仕事を増やしていくこと。
そこに、千葉さんがinc.で取り組む挑戦がある。